IPO株の大暴落!?勝率9割の裏に隠されたロックアップ期間とは?

はじめに…

突然ですが、皆さんは「IPO株」についてご存知でしょうか。
IPO株を日本語に表すと「新規公開株」というものになり、この意味は上場し、株を投資家に売り出すことで、どんな地位の人でも株での取引きができるようになるということです。
この方法は、上場する前の株を入手し上場する日に売ることができるので、簡単に利益を出すことができるということで知られている方法です。
今回はこの「IPO」について取り上げていきたいと思います。

IPOは「勝率9割」

先ほども紹介したように、IPO株は儲かることで有名ですが、果たしてどのくらいの割合で儲かるのでしょうか。
公募価格(上場前の価格)より初値(上場後の価格)が高かった場合を勝ち、公募価格より初値が低かった場合を負けとするとき、どのくらいの勝率なのかを計算できます。
昨年度(2020年)のデータでは、新規上場会社が93社あったうちの約75%が勝ちとなりました。
新型コロナの影響により例年よりその数値は低いですが、高い勝率を収めていると理解できるかと思います。
おととし以降(2015~2019年)のデータも見てみると、上場会社がこの5年間で444社あったのに対し、公募価格より初値が高かったケースは、387にも上り勝率は実に9割にもなりました(四捨五入しました)。

「ロックアップ期間」に注意しよう!

ただ誰でもすぐに、ノーリスクな「IPO株」を保有できるということではありません。
そもそも、募集される株式が少ないため、入手するのは至難の業と言えます。
また、ロックアップという制度には注意する必要があります。
ロックアップとは、ある会社が新たに上場した後だとしても、大株主やベンチャーキャピタル(ベンチャー企業に出資をする投資会社)はすぐに株式を売らないで所持するという期間のことを指します。
このロックアップが株価の暴落を招く可能性が多いにあるのです。
なぜかと簡単に理由を述べると、ロックアップ解除により株式の需要と供給のバランスが傾くからです。
より細かく説明します。
上場がなされた際は、上記でも触れたように株式は多く出回っていません。
しかしながら、ロックアップの期間が終わり、今まで大株主などが持っていた大量の株式が出回ることで、株式の需要供給のバランスが崩れ暴落すると考えられます。

ロックアップの対象になってしまう項目とは?

次に、ロックアップになってしまうのは何なのかまとめてみます。
まず1つ目として、現状の株主が所有している株式はロックアップの対象となり、株式譲渡ができなくなります。
また株式だけでなく、役職さらには裁量権についても対象となります。
新たに上場する際に、経営者が別の企業に移らないようにするために設けられました。

ロックアップ解除の条件(調べ方)を紹介冒頭に説明したように、ロックアップとは大株主やベンチャーキャピタルが一定の期間、株式を持ち続けることをいうと紹介しました。
ただ、ロックアップ期間中に、所持している株式が売りに出されるということはないのかと言われると、そうではありません。
実は、公募価格の1.5倍以上や2倍以上になった際には、大株主は自動的にロックアップを解除できるという条件を定めていることがあります。
つまり、株価が上昇していると思い、ノリで買おうとすると株主がロックアップを解除し、株式で溢れるということが起こるのも珍しくないのですね。
解除の条件がどのようなものがあるのかを確認するには、新株式発行並びに株式売出届出 目論見書(通称、目論見書)を見るのがいいでしょう。

ロックアップの種類・期間は?

なるべく暴落する前に、IPO株を入手しておきたいと感じる方がほとんどでしょう。
では、ロックアップがいつ解除されるのか気になりますよね。
ロックアップの期間を調べるためには、先ほども紹介した新株式発行並びに株式売出届出 目論見書(通称、目論見書)を見ましょう。
目論見書は、PDFファイルで誰でも入手することができます。
各会社によって期間は異なりますが、ロックアップのおおよその期間としては90日から180日とみておくといいでしょう。

ロックアップ解除後の株価の動きの傾向

ロックアップが解除されると、今まで株式を保有してきた大株主やベンチャーキャピタルが一斉に株式を売り出すので、株価が大きく下がるかもしれません。
ベンチャーキャピタルは売却した金額を利益として受け取るわけです。
このような事態をなるべく避けるためにも目論見書をよく確認して、いつロックアップが解除されるのかを事前に知っておくことは非常に重要なのです。

IPO株投資法を紹介~ロックアップを使った方法も?~

最後にIPO株式を使った投資法をご紹介します。
これまでに紹介してきたように、IPO株には知らないと大損をすることがあります。
ただ裏を返せば、IPO株に対して正しい知識を身につけておけば、多額の利益をだすことができるのも事実です。
これまで何度も紹介したように、IPO株はなかなか手に入るものではありません。
そのため、少しでもIPO株を手に入れるチャンスを多くするためいろんな証券会社に口座を作って、IPO株の抽選に応募してください。
ただ、なんでもかんでも申し込むのではなくしっかりと利益がでそうか見極めることも重要です。
主な見分け方としては、2つほどあります。
1つ目としては、その会社以外に同じ日で上場する会社がない場合です。
例えば、1/31にAとBという2つの会社が上場するとします。
株主にとってはBよりもAの方が魅力的に映ったとします。
そうすると、必然的に魅力的であるAの株価は上がり、Bの株価は上がりにくくなります。
2つ目の見極め方として、業界自体が成長する可能性があるかどうかです。
業界が成長しにくそうなところより、成長しやすいところに投資したほうが、利益が多くなるのは目に見えます。
このような見極め方でIPO株を入手したのであれば、初値つまり上場したと同時に売却しましょう。
なぜ上場と同時に売却するのオススメするのかというと、ロックアップがあるからです。
先ほども説明しましたように、ロックアップを解除すると大株主やベンチャーキャピタルが保有している株を売り出すことが多いです。
その影響を受けると株価が暴落してしまう可能性があります。
そのため、原則影響を受けない上場直後に売るのがオススメです。
そのためにも、目論見書でロックアップの期間をしっかり確認しておきましょう。
なるべく早くIPO株を売却することがオススメですが、今すぐに売却できないという事由があれば、ロックアップがいつまで続くのかを調べ、その期間が終わらないうちに売却することで、ロックアップをうまく使った投資方法ができるでしょう。

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