株式投資を行っている方は、「モメンタム」というテクニカル指標を聞いたことがあるのではないでしょうか?
モメンタムとは、相場の流れを理解するためのかなりオーソドックスなテクニカル指標となっています。
そこで今回は、株式取引の成功率を上げることのできる「モメンタム」の見方や注意する点についてご紹介していきます。
もくじ
テクニカル指標「モメンタム」とは?
株式投資で使われるテクニカル指標の「モメンタム」とは、日本語でいうと「勢い」「はずみ」といった意味合いになります。
モメンタムでは、相場の勢いや強弱の幅を見ることができるので、現在株がどれくらい買われすぎていてどれくらい売られすぎているのかを判断することができます。
見方もシンプルですし、モメンタムを使った取引は分かりやすい手法となっているので、株式投資を始めたばかりの人でもより簡単に行うことができるでしょう。
モメンタムの計算方法
モメンタムは、「当日の終値-一定日前の終値」という計算式で求めることができます。
つまり、例えば、その日の終値が1000円で10日前の終値が950円だった場合、1000円-950円でモメンタムの数値は50となります。
この計算式で簡単に数値を出すことができます。
モメンタムの使用日数
モメンタムは、日足だけではなく週足や月足でも見ることができます。
ここでは、一般的に使われるモメンタムの使用日数をご紹介しておきます。基本的にはモメンタムは短期的な動きを判断する指標として使われるので、日足を使うことが最も多いでしょう。
日足:10日・20日・25日
週足:9週・13週・26週
月足:3か月・6か月・9か月
モメンタムの見方
この数値が0よりも大きいと強気相場、0よりも小さいと弱気相場ということになります。
強気相場であれば株価が上昇する勢いが強く買いのサインということができ、弱気相場であれば株価の下降する勢いが強く売りサインと判断することができます。
モメンタムで予測する売買のタイミング
ではここからは、実際に株式取引を行う中でモメンタムを使って売買のタイミングを予測する方法についてご紹介していきます。
ぜひ参考にして取引を行ってみてください。
買いのタイミング
最も簡単な買いのタイミングは、「モメンタムの数値がマイナスからプラスに転じた時」です。
この場合は著しく株価が上昇していると見ることができるので、買いのタイミングと見ることができます。
それ以外でも、「プラスだったモメンタムがさらに数値が上がった」場合、上昇の勢いが増していると見ることができるので、買いでしょう。
また、「株価が下落している時でもモメンタムの数値が横這いで変わらない状態」なのであれば、下落の勢いが減少しているということになります。
つまり、今後下落相場から上昇相場に転換する可能性が高いので、買っておくと売却益を狙うことができるでしょう。
売りのタイミング
売りのタイミングは、「モメンタムの数値がプラスからマイナスに変わった時」と「マイナス値のモメンタムがさらに下落した時」です。
この2つの状態の場合、下落の勢いが強くなってきているということなので、売りに出すことを検討するとよいでしょう。また、株価が上昇しているのにも関わらずモメンタムが横這いなのであれば、上昇相場が終わり下落相場に転換する時期が近くなってきていることを意味します。
そのため、この段階で売っておけば資産を目減りさせずに対処できる可能性が高いでしょう。
モメンタムを利用する時に注意すべき点
先ほど、モメンタムの数値を見て売買タイミングを見極める方法についてご紹介しましたが、実際に分析を行ってみると頻繁に数値が変わりますし、見方も単純なのでダマしが多いというデメリットもあります。
そのため、モメンタムでテクニカル分析を行う際には以下の2点に注意しておきましょう。
平均線を活用する
モメンタムの平均線は、モメンタムの動きよりもなめらかなラインを描くので、ゼロと交差する場面も少なくなり、より判断しやすくなります。
最近では、チャートにモメンタムの表示を行うと同時に平均線も表示してくれる証券会社も多くありますので安心です。
モメンタムだけに頼って判断しない
モメンタムはあくまでもテクニカル指標の1つです。
より簡単に判断できるので、モメンタムに頼りたくなってしまうという方もいると思いますが、モメンタムだけで判断してしまうと売買のタイミングを間違ってしまうこともあります。
そのため、他のテクニカル指標と合わせて相場の分析を行うようにすると、ダマしにあうリスクを下げることができます。
業績モメンタムも活用しよう
業績モメンタムとは、決算の内容によって株価が変動することを利用して、その企業の業績の勢いを判断する指標です。
売上の増加率や利益の増加率などを用いて判断します。業績モメンタムは客観的な判断ができる1つの材料となりますが、データ量が少ないのでなかなか材料を揃えることが難しいと考えられています。
そのため、株価で見るモメンタムと同じように、それだけで判断するのではなく、他の指標と合わせて見て売買のタイミングを見極めるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?モメンタムは相場の勢いを簡単に測ることができ、売買のタイミングを見定めるのに適しているテクニカル指標です。
しかし、簡易的に求められる方法になっているのでダマしが多い点が難点となっています。
そのため、モメンタムだけではなく他のテクニカル指標と一緒に活用することによって、効力を最大限に発揮することができるでしょう。
初心者の方でも簡単に行えるテクニカル分析方法となっているので、ぜひ積極的に使ってみてくださいね。