VWAPとは?テクニカル指数を駆使してデイトレードの高みを目指せ!

株式投資をする中で出てくる「VWAP」という指標をご存じでしょうか?
VWAPはあまり一般的な指標ではないので、普段からテクニカル分析を行っていても聞いたことがないという方もいることでしょう。
このVWAPは機関投資家によって積極的に活用されている指標なので、一般投資家の方でもしっかりと理解をして使いこなすことができれば、より有利に取引を行うことができます。そこで今回は、機関投資家によってデイトレードの際に使われているVWAPについて具体的にご紹介していきます。

 

VWAPってどんな指標?

VWAPとは、「Volume Weighted Average Price」の略のことで、日本語では「出来高加重平均」と読むことができます。
より簡単に説明すると、その日に取引所で取引が成立した価格の平均価格ということになります。

VWAPの計算方法は、「1日のすべての売買代金÷1日の累積出来高」となっています。例えば、300円で3000株、305円で2000株の取引が成立した銘柄の場合は、151万円÷5000株でVWAPは302円となります。
この数値が表示されることによって、投資家は機関投資家の思惑を予測することができるので、高値をつかむ可能性を限りなく抑えることができます。

 

VWAPの特徴

ではここからは、VWAPの特徴についてご紹介します。
VWAPの特徴を把握しておくことによって、より効果的にVWAPを使って利益を狙った取引を行うことができるようになるため、ぜひ知識を頭に入れておきましょう。

 

機関投資家がよく利用する

機関投資家とは、銀行や政府金融機関、生命保険会社などの大口の取引を行う投資家のことを指します。
機関投資家が取引をする場合、1回の取引で大きな金額を動かすことになります。
そのため、「成行注文」を行ってしまうと株価に与える影響が非常に大きくなってしまいます。
また、「指値注文」を行っても変な思惑を他の投資家に与えてしまいます。このような事態を避けるために、機関投資家はVWAPを見て市場の平均値での取引を行います。このことから、VWAPは機関投資家の目標値と言われることが多くあります。

 

1日限定の指標で値動きが小さい

VWAPは計算方法から見ても分かるように、1日ごともしくは前場か後場といった限定された時間軸での数値を示す指標なので、連続性のないデータとなっています。
また、その時間軸の平均値を出したものになっているので、チャート上で価格が大きく変動するような指標でもありません。そのため、値動きでどうしても感情が大きく動いてしまうというトレ―ダーの方でも冷静に見て分析を行えるテクニカル指標となっています。

 

VWAPを使った取引方法

VWAPはどのようにトレードの中で活用すればいいのでしょうか?ではここからは、具体的にトレード内で使って利益を出すための方法についてご紹介していきます。

 

VWAPを株価の推移を見る

VWAPを取引の中で使うためには、VWAPと株価の関係を見る必要があります。この2つを確認することによって、投資家の損益の状況を見ることができますし、今後の投資家の心情を予測することが可能になります。

 

VWAPが株価より高い位置で推移

VWAPが株価よりも高い位置で推移している時は、その日にその銘柄を購入してまだ保有している出来高の半数以上が含み益になっている、つまりプラスの利益を抱えている状態となっていることを指します。この状態では売りに出す方はほとんどいないので、買いたいけれども買えずにチャンスを待っている方が多いと見ることができます。

 

VWAPが株価よりも低い位置で推移

VWAPが株価よりも低い位置で推移している時は、その日にその銘柄を購入して保有している出来高の半数以上が含み損になっている、つまりマイナスの損失を抱えている状態になっていることを指します。この状態の場合、VWAPの数値近辺で売る方が増えることが予想されます。

 

VWAPが抵抗線・支持線となる

VWAPを使って利益を出すための方法として、株価とVWAPの関係性を見れば抵抗線や支持線として使うことができます。VWAPが株価より高い位置になっている時は、買いたい人が多いのでVWAP近くまで株価が下がれば支持線として機能します。また、株価よりVWAPが低い位置になっている時は、売りたい人が多くなっているので、株価がVWAPまで上がると抵抗線として機能します。

 

VWAPを利用したチャート判断

VWAPはテクニカル指標の1つなので、VWAPを見ることによってその後の株価の値動きを予測することができます。そこでここからは、VWAPを使ったチャート判断のパターンをご紹介していきます。

 

上方ブレイク

上方ブレイクとは、VWAPより低い位置にあった株価がVWAPより上に突き抜けることを指します。この状態になった場合、投資家の損益が改善していることを意味するので、その後は株価が上昇する可能性が高いと見ることができます。

 

下方ブレイク

下方ブレイクは上方ブレイクの反対で、VWAPよりも高い位置にあった株価がVWAPよりも下に突き抜けることを指します。この場合、上方ブレイクとは逆で投資家の損益が悪化していることを意味するので、売りが多くなる傾向にあり株価は下落する可能性が高くなります。

 

支持線

VWAPよりも高い位置で株価が上下に推移していて下方ブレイクしていない状態の場合、機関投資家は株価がよりVWAPに近い位置になることを待っているので、機関投資家の大口取引によって株価が上昇する可能性が高くなります。支持線は「サポートライン」と呼ばれることもあります。

 

抵抗線

VWAPよりも低い位置で株価が上下に推移していて上方ブレイクには至らない場合、機関投資家はVWAP付近で株価を売り出すことが多いので、機関投資家の大口取引によって株価が下落する可能性が高くなります。抵抗線は「レジスタンスライン」と呼ばれることもあります。

 

まとめ

いかがでしたか?
VWAPは機関投資家だけが利用するテクニカル指標だと思っている方もいるかもしれませんが、VWAPを使うことによって一般の投資家の方でもより有利に取引を行うことが可能になります。あまりなじみがないので知らなかったという方でも、今後使うことによって株価の推移の予測を行いやすくなりますので、デイトレードでの利益をこれまで以上に増やせる可能性が高くなります。ぜひこれからのデイトレードでは、VWAPの動きにも着目してみてはいかがでしょうか?

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